婦人科豆知識

月経

月経とその調節機構

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月経とは、一か月程度の間隔で起こる子宮からの周期的な出血で、通常は卵巣から分泌されるふたつの女性ホルモン(卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン))が周期的に子宮内膜に作用することで起こっています。

卵巣ホルモンの分泌は、脳の下垂体から分泌されるホルモン(卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモン)で調節され、下垂体のホルモンは、さらに上位の視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)というホルモンで調節されています。

視床下部・下垂体・卵巣は、それぞれが分泌するホルモンでお互いのホルモンの分泌を巧みに調節しあっていて、このしくみはフィードバック機構と呼ばれています。この機構のどこかに異常が起こると、月経不順や無月経など、月経の異常が見られるようになります。

卵巣のホルモン分泌

女性は、生まれた時には卵巣に200万個の卵子を持っていますが、この卵子はほとんどが排卵されないまま退縮してしまいます。思春期には既に数万~数十万個まで減少し、その後も減少の一途をたどります。性成熟期(およそ15~45歳)には毎月排卵が起こっています。卵巣の中ではいくつかの卵胞が同時に発育しますが、通常はその中の1個だけが成熟して排卵し、その他の卵胞は退縮します。

卵胞が発育している時(卵胞期)には卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されます。排卵した後の卵巣では黄体という組織が形成され(黄体期)、黄体ホルモン(プロゲステロン)も分泌されます。

黄体ホルモンには体温を上昇させる働きがあるため、基礎体温を測っていると、排卵後には体温が上昇します。ですから基礎体温を測っていると、排卵しているかどうかを確認することができます。

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